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    事業再構築補助金 交付申請の手続きを徹底解説

事業再構築補助金第12回公募の結果公表の予定時期が近づいてきました。公募要領には補助金交付候補者の採択発表を令和6(2024)年10月下旬~11月上旬頃(予定)と示されています。結果公表に先駆けて、本記事では採択後の手続きの1つ「交付申請」について徹底解説します。採択後の事業実施に備えてできることから準備を始めていきましょう。

目次
1.採択とは
2.補助金が交付されるまでの流れ
3.事前着手届出制度は廃止
4.交付申請の概要
 4-1.交付申請とは
 4-2審査される項目
 4-3.交付申請の期限
5.交付申請の手続き方法
 5-1.交付申請から交付決定までの流れ
 5-2.交付申請に必要な書類
 5-3.見積取得時の注意点
 5-4.業者選定理由書は最終手段
 5-5.補助対象外の経費に注意
6.交付申請は1回で通過できない
7.交付申請の手続きをサポートします
 7-1.サポート内容
 7-2.サポートを依頼するメリット


1.採択とは


事業再構築補助金は「採択」されてもすぐには補助金を受給できません。採択後はさらに事務手続きが待ち構えており、その審査を通過しなければ補助金は受給できません。それでは「採択」とはどのような状態なのでしょう。

事業再構築補助金における「採択」とは公募申請で提出した計画書を審査した上で補助金を交付すべき候補者として選定することです。採択されたからと言って補助事業に係る全ての費用が補助金の対象として認められたわけではなく、この時点では補助金交付候補者という取扱いです。

2.補助金が交付されるまでの流れ


事業再構築補助金では、採択後にオンライン説明会への参加、交付申請、補助事業実施、実績報告、精算払い請求を経て補助金が交付されます。採択後に補助金が交付されるまでの期間は平均で1年半~2年程度(上乗せ措置分を除く)です。



3. 事前着手届出制度は廃止


事前着手届出制度とは補助事業者ができるだけ早期の事業再構築を図れるよう設けられた制度です。事業再構築補助金では原則、交付決定前に発注・契約・支払い等の補助事業を実施ができません。しかし、事前着手の承認を受けた場合は、交付決定前であっても一定の期間を遡って事業に必要な経費を補助対象とすることができる制度です。この制度は事業再構築補助金の1~11回公募までは設けられてきましたが、コロナ禍の収束という観点から12回公募以降、下記①②の場合を除いて原則廃止されました。このことから、採択となった事業者はできるだけ早く交付申請を行い、交付決定を受けなければ、事業実施ができないことになります。

[例外]
①事業再構築補助金の第10、11回公募のいずれか又はいずれもにおいて、物価高騰対策・回復再生応援枠又は最低賃金枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、コロナ回復加速化枠(通常類型)又はコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請する場合
②事業再構築補助金の第10回公募において、サプライチェーン強靱化枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、サプライチェーン強靱化枠に申請する場合

4.交付申請の概要


4-1.交付申請とは
交付申請とは公募申請時に提出した経費について実際の見積書や金額・性能を示すカタログ、図面等を提出して補助対象経費として適切かどうかの審査を受けるための申請です。審査を受けることにより補助対象経費が確定します。

4-2.審査される項目
交付申請では下記のような項目が審査されます。特に申請経費の適正性と計画等に変更がある場合の審査は、各事業者の状況や計画に合わせて個別に審査されるため、時間を要し、不備とされる場合も多くあります。
・申請書類の過不足
・申請経費の適正性(見積書に対象外経費が含まれていないか等)
・申請経費の価格の妥当性(市場価格との乖離はないか等)
・事業実施場所や事業計画等の変更がないか、ある場合は変更の理由が適切か
・指定様式の記載不備

なお、交付申請は公募申請のように1度で全て審査され交付・不交付が決定するわけでなく、申請後不備や修正が必要な場合は補助金事務局から事業者にその旨が通知されるため、事業者は修正を行い再提出することができます。

4-3.交付申請の期限
交付申請の期限は採択された公募回により交付申請期限が設定されます。3~11回公募は下記のような期限が設定されていましたので、12回公募でも採択公表日から12カ月後頃に期限が設定されることが想定されます。


5.交付申請の手続き方法


5-1.採択後から交付決定までの流れ
採択後、交付決定までには下記のように進めて行きます。


~説明会参加・事業者登録~
まずは補助金事務局が主催するオンライン説明会へ参加しましょう。説明会は採択発表日から2カ月程度、週に2~3回開催されますのでいずれか1回以上参加し、その後事業者登録を必ず済ませてください。事業者登録を完了させなければ交付申請の手続きに進めませんのでご注意ください。

~必要様式のダウンロード~
交付申請を行う為には、補助金事務局が指定する様式をダウンロードし、作成する必要があります。様式のダウンロードは事業再構築補助金の電子申請システム(事業再構築補助金 (jigyou-saikouchiku-shinsei.jp))にログインして行います。

~見積書等必要書類の収集~
交付申請では公募申請時に提出した経費の具体的な見積書を取得し提出が必要です。見積書以外にもカタログや図面等、各事業者の計画・申請内容によって必要な書類が異なりますので、自社の計画に合わせて必要な書類を収集しましょう。手続きは全て電子申請となるため、書類はPDFデータにしておくと手続きがスムーズです。

~様式の作成~
見積書等の必要な書類が揃ったら、ダウンロードした指定様式の作成を行います。補助金事務局が様式の作成に当たって注意すべき項目等をまとめた案内を出していますので、そちらに従って作成しましょう。

~電子申請(j-Grants)~
必要な書類や様式の作成が終わったら、j-Grantsより電子申請を行います。様式をダウンロードしたシステムとは別のシステムですので、申請の際はご注意ください。
申請完了後、補助金事務局が審査に入ります。審査の上で不備があれば修正指示、不備がなければ交付決定となります。

5-2. 交付申請に必要な書類
交付申請には全事業者共通で下記のような書類が必要です。
・事務局指定の様式(経費明細表)
・取得財産に係る誓約書(参考様式21)
・見積依頼書、見積書、相見積書2者分(契約先1者当たり合計税込み50万円以上の経費のみ)

この他に、該当する事業者は下記のような書類も必要です。
・建物費を申請する場合:図面・設計図書(平面図、立面図、断面図、配置図等)
・機械装置・システム構築費を申請する場合:価格の妥当性を示すパンフレット・カタログ等
・広告宣伝・販売促進費を申請する場合:相見積書(契約先1者当たり合計税込み50万円以上は2者分、50万円未満は1者分の相見積書が必要)
・一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占めるような場合:事業再構築補助金に係る補助対象経費についての理由書
・新築ではない建物費を申請する場合:補助対象経費により取得する建物に係る宣誓書(参考様式24)

なお、上記は第11回公募の補助事業の手引きを基にした情報です。必要書類が変更される場合もあるため、必ず最新の情報をお確かめ下さい。

5-3.見積取得時の注意点
交付申請に必要な書類の中で最も注意が必要な書類は「見積書(相見積書含む)」です。これまで当社がサポートしてきた事業者でもこの見積書が多ければ多いほど審査に時間を要し、交付決定まで長くかかりました。そのため、補助金事務局が公表している見積書に関する注意点を確認し、それに適合する見積書を取得することが重要です。主な注意点を紹介しますので、見積取得時は気を付けるようにして下さい。

①見積書・相見積書が必要な場合
見積書は申請する全ての経費に対して必要です。また、契約先1者当たり合計税込み50万円以上の場合には相見積書(2者分)が必要です。つまり実際に発注する本見積書に加えて、価格比較をするための相見積書を2者分取得する必要があります。


なお、「広告宣伝・販売促進費」を申請する場合は約先1者当たり合計税込み50万円未満であっても必ず相見積書(1者分)が必要です。

②見積書の項目
見積書は金額だけでなく発行元や記載項目についても決まりがあります。
まず見積書の発行元についてはペーパーカンパニーや販売実績が全くない業者等は認められません。また、建物費を申請する場合で、建設業許可が必要な規模※の建物においては建設業許可を有さない業者からの見積もりは認められません。
※建設業許可が必要な規模:工事請負金額が500万円以上の場合。ただし、建築一式工事(新築工事、増改築、改修工事などの大規模工事)の場合は1,500万円以上、または延べ床面積が150平方メートル以上の木造住宅工事)

記載項目については注意事項が多くあります。例を挙げると「見積書の宛先が申請事業者名になっていること」があります。一見当たり前にも感じますが、実際には宛先が代表者名になっていたり、店舗名になっていたりすることがあります。このような見落としがちな項目や最悪の場合補助金の減額につながるような項目もありますので1つ1つ確認が必要です。これらの注意点をまとめた資料を無料でお配りしておりますので、下記よりお問合せください。

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5-4.業者選定理由書は最終手段
事業再構築補助金では原則、契約先1者当たり合計税込み50万円以上の場合には相見積書(2者分)の提出を求めています。しかし、メーカーからの直販でしか購入ができない場合のように購入先が絞られており相見積書を取得することが不可能な場合もあります。その場合には例外として「業者選定理由書」を利用し相見積書の代わりとすることができます。
しかし、この業者選定理由書が審査の上で認められるのは「相見積書が取得できない合理的な理由がある場合」であるため、ハードルは大変高いです。補助事業の手引きには「合理的な理由とは、知的財産権や独占販売権などにより販売元が限られているような場合が客観的に分かる理由を指します。(補助事業の手引き2.1版 P.20(7)エ)」と記載されています。「これまで依頼してきた業者だから」「アフターフォローが充実しているから」「商業慣習であるから」「相見積書だから業者に対応してもらえない」等の理由は認められません。また、業者選定理由書に対する審査には相見積書の審査よりも期間がかかります。そのため、業者選定理由書は相見積書を取得できない場合の最終手段です。できる限り相見積書を取得するようにしましょう。

5-5.補助対象外の経費に注意
事業再構築補助金の公募要領や補助事業の手引きには補助対象外となる経費について明確に記載されているものがあります。特に重要なものを抜粋してご紹介しますので、見積書取得時はご注意ください。

①既存事業に活用する等、専ら補助事業のために使用されると認められない経費
②事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
③フランチャイズ加盟料
④切手代、電話・インターネット利用料金等の通信費(クラウドサービス利用費に含まれる付帯経費を除く。)
販売・レンタルする商品、試作品、サンプル品、文房具などの事務用品等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代、書籍代、団体等の会費、販売やレンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費
不動産の購入費、株式の購入費、自動車等車両(事業所や作業所内のみで走行し、自動車登録番号がなく、公道を自走することができないものを除く。)、船舶、航空機等の購入費・修理費・車検費用
日本国等が行う一定の事務に係る役務に対する手数料(例:登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付等)
振込等手数料(代引手数料を含む。)及び両替手数料
⑩各種保険料
汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入費・レンタル費(例えば、事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・タブレット端末・スマートフォン等)
⑫中古市場においてその価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費
⑬事業に係る自社の人件費、旅費
⑭再生可能エネルギーの発電を行うための発電設備及び当該設備と一体不可分の附属設備(太陽光発電を行うためのソーラーパネル等)

また、上記以外に諸経費、会社経費、一般管理費、現場管理費、雑費等は使途が不明なため一式補助対象外となります。ただしこれらの内訳を記載した見積書であれば一部または全部対象となることがありますので、これらの項目が見積書に記載されている場合は必ずその内訳も記載するようにしましょう。

6.交付申請は1回で通過できない


事業再構築補助金の公式WEBサイトで公開されている各要領や手引き・注意事項を細部まで確認し書類の提出をしても交付申請は1回で通ることがほぼありません。その理由はWEBサイトで公開されている各要領や手引き・注意事項は一般的な事項をまとめたものであり、個別に審査をされる項目については示されていないためです。この審査項目や事務局の審査部門が求める記載方法に適合させるように修正指示(差戻)があるのです。

前述の業者選定理由書を例に挙げると、業者選定理由書が認められる要件として「合理的な理由とは、知的財産権や独占販売権などにより販売元が限られているような場合が客観的に分かる理由を指します。(補助事業の手引き2.1版 P.20(7)エ)」と記載されています。”等”や”~のような”という記載の仕方をしているため、これら以外の理由で理由書を提出できるように解釈できます。しかし規定されている理由以外で理由書を提出した場合は個別に審査が入り、場合によっては事業者への聞き取り、理由書の内容変更、理由書自体を認めず相見積書の取得を求める等の修正指示が出てしまうのです。

この修正指示(差戻)は少なくとも1~2回、多い場合では7~9回の修正指示を受け、これに対応しなければならなりません。このような審査を経て交付決定に至るため、交付申請から交付決定までは最短で2カ月、長い場合では4~6カ月要す場合があります。

7.交付申請の手続きをサポートします


ここまで交付申請について解説してきました。せっかく採択されても「どのように進めるべきか」や「どのようにしたら審査に通るのか」が分からず気づけば1週間、1カ月と時間ばかりが経過してしまうという事業者も多く見かけます。12回公募からは事前着手届出制度が原則廃止となり、交付決定が出なければどんどん事業実施が可能な期間が短くなってしまう状況です。

交付決定までの書類作成の手間や時間を軽減させるだけでなく、これまで再構築補助金の手続きを100件以上サポートした経験から、ご要望をお伺いした上で交付申請の審査に通りやすい申請内容、交付決定後の手続きの労力をできるだけ抑えられる申請内容に調整いたします。

7-1.サポート内容
当社ではお問い合わせをいただいた後、オンラインでの打ち合わせからサポートを開始いたします。打ち合わせでサポートが必要な範囲について確認し、必要に応じたサポートを提供します。


①打ち合わせで申請までのディレクション
打ち合わせで要望をうかがった上で、必要な書類や注意事項の説明、申請内容の調整、申請までのスケジュール調整を行います。サポートが必要な範囲についてもその際に確認し決定いたします。
打合せから1カ月程度で初回の申請をすることを目標にスケジューリングします。

②提出書類を作成
事務局指定の様式、見積依頼書、業者選定理由書等の必要書類を作成します。見積書や様式の取得及びj-grantsからの申請作業は申請事業者様よりお願いいたします。

③修正の対応
交付申請後、補助金事務局より修正指示がある場合は交付決定が出るまで修正の対応をいたします。

料金についてはお問合せ下さい。

7-2.サポートを依頼するメリット
補助金を受給するためには、交付申請は避けては通れません。交付申請では見積書・カタログ・図面・理由書等様々な書類が求められ、なおかつ修正指示が複数回に及ぶため手続きが非常に煩雑です。当社では交付申請のサポート実績が多数あり、審査において求められる事項や審査基準をカバーして審査通過に導くことができます。

事業再構築補助金以外にもものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金等の国や自治体の補助金サポートを多く手掛けております。公募申請から採択後の交付申請・実績報告、補助金受給後の事業化状況報告までトータルでサポートを行ってきた実績をもとにスムーズな手続きをサポートいたします。ぜひお問い合わせください。



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