NEWS

お知らせ

  • コラム

    令和5年12月13日施行 旅館業法の改正について【特定感染症編】

安心・協力・理解:旅館業法の最新改正



これまでも旅館業法では、宿泊を拒んではならない場合の適用除外として、「宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められるとき。」と規定していましたが、伝染性や疾病の具体的な範囲が明確ではなかったため、宿泊を拒む事についての妥当性が問われる事案もありました。

そこで、新たに改正旅館業法第2条において「特定感染症」という規定が設けられ、同法第5条第1項は「宿泊しようとする者が特定感染症の患者等であるとき。」という内容に改正されることになりました。

この特定感染症とは、感染症法に規定されるもののうち、
① ー類感染症
工ボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
② ニ類感染症
急性灰白髄炎(ポリオ)、結核、ジフテリア、SARS、MERS等
③ 新型インフルエンザ等感染症
新型インフルエンザ等
④ 新感染症
現時点では、該当なし
⑤ 指定感染症
現時点では、該当なし
となっています。
あくまで現在の状況ですので、今後新たな感染症が追加されてしまうこともあるかもしれません。
※ 新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月8日をもって五類感染症に移行しているため、旅館業法における特定感染症には該当しません。

ただ、これも前回の旅館業法の改正について【特定要求行為編】でも述べたものと同様に、みだりに宿泊を拒むことがないようにする必要があります。新型コロナウイルス感染症が流行していた当時のように、医療機関等の逼迫した状況になってしまった場合など、状況や自治体等からの要請等を踏まえつつ対応する必要があります。

また、これと同時に特定感染症が国内で発生している期間に限り旅館業の営業者は、宿泊者に対し、その症状の有無等に応じて、特定感染症の感染防止に必要な協力を求めることができることとされました。

① 発生している期間とは
感染症法等に基づき厚生労働大臣・都道府県知事が国内でホームページや通知等により、その発生と終期を通知する間の期間となります(特定感染症国内発生期間)。

② 旅館業営業者が求められる必要な協力とは
まず、求められる協力は宿泊者の症状によって分けられます。
(A)特定感染症の症状を呈している者
(B)特定感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者
(C)特定感染症の患者等
(D)その他の者
そして、上記分類に従い、報告や客室等での待機、体温その他の健康状態や特定感染症の患者や媒介動物との接触歴等、健康状態等の確認に応じるよう求める事ができます。

これらはあくまで協力ですので、事実上の強制にわたるような求めや威圧的な求めをすべきではありませんし、なぜ協力を求めているのか理解を得られるように丁寧に説明をした上で、同意を得るよう心掛ける必要があるでしょう。
また、宿泊者も正当な理由無く応じない場合は旅館業法違反となりますので、注意が必要です。

特定感染症の感染防止に必要な協力の求めを行う場合のフローのイメージ(特定感染症国内発生期間)
https://www.mhlw.go.jp/kaiseiryokangyohou/images/flow.jpg

誰もが快適な旅を行うためには宿泊者と営業者の理解と協力が重要です。安全な宿泊体験を共に築くため環境の整備、従業者や宿泊者への周知を進めていきましょう。

旅館業申請のご相談はこちら↓
https://sgs.sato-group.com/contact/

参考HP
https://www.mhlw.go.jp/kaiseiryokangyohou/
https://www.mhlw.go.jp/kaiseiryokangyohou/second_2.html

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせ